アトピー体質の人は、活性酸素を消すSODが不足している

◎年齢とともに、活性酸素を無害化する武器が減っていく

私たちの身体のメカニズムから見れば、普通に発生する活性酸素に対応するだけのSOD酵素が作られている。この状態であれば、活性酸素の害を格別に恐れることはない。しかし、何気ない日常生活の環境からも、スーパーオキサイドラジカルを始めとして、私たちの体内では大量の活性酸素が発生する。活性酸素が大量発生すると、無害化するためのSODが不足しがちになる。しかも大変なことに、刈代を過ぎるとSODを作る能力が急激に低下することが分かっている。

 
特に成人型アトピー性皮膚炎の場合、SOD不足が大きく関係していると思われる。その結果、免疫機能のズレや組織の老化が進み、そこに活性酸素による血流障害と栄養バランスの崩れが複合し、成人してからアトピー性皮膚炎を発症する。
「私は刈歳になっていないから、SODは十分に作られているはずだ。それでもアトピー性皮
層炎になったのだから、SOD不足は関係ないのでは」
 

こう言われるかもしれないが、釦歳というのは一つの目安で、当然、個人差はある。逆に、アトピー性皮膚炎を発症したら、活性酸素を疑うのがもう常識なのである。
 
これだけ複雑な要因が重なっているため、成人のアトピー性皮膚炎の治癒は難しくなる。だか
らこそ、バラ花びら抽出エキスや水溶性キトサンを使う「ダブルブロック法」で症状の改善を図りながら、活性酸素を除去して「体質改善」を実行しなければならない。
 
そこで問題になるのが、ある程度年齢がいくとSODが作られにくくなる現実である。と言っても、厳しいこの現実を打開する方法はある。それが、後で述べるSODと同じような抗酸化作用を持つ物質の摂取になる。

 

子供でも、大量の活性酸素発生によるSOD不足の危機はある
 
今、大人の場合のアトピー性皮膚炎と活性酸素の関係を見た。そこでは年齢とともに減少するSODが深く関係している可能性を指摘した。では、まだSODの産生が減少していない子供の場合はどうなのか。

 

 
子供の場合でも、「活性酸素による免疫機能のズレ」「活性酸素による組織の老化」「活性酸素による血流障害と栄養バランスの崩れ」といった活性酸素の弊害はある。組織の老化と言うと「まだまだではないか」と思われるかもしれないが、組織というのは誕生したときから老化の道を歩み始めるのが宿命である。
 
さらに、先に挙げた活性酸素を発生させる6条件のうち、「大量の紫外線」から「継続的なストレス」までの5条件は子供でも変わらない。
 
そこで考えなければならないことは、子供の免疫メカニズムは未完成ということだ。違う表現をすれば、まだ発達途上にある。子供はいろいろな病気にかかりやすいが、それこそ子供の免疫メカニズムが未完成であることの何よりの証拠だろう。
 
未完成の免疫メカニズムは、ズレを起こしやすい。完成した免疫メカニズムを持つ大人でも免
疫にズレを起こすような生活スタイルであれば、子供が免疫にズレを起こしても当然の結果ではないか。そして、その大きな原因の一つが、大量発生する活性酸素とSODバランスの崩れと考えられる。大量に発生する活性酸素にSOD産生が追いつかず、まだ幼い免疫メカニズムを狂わ
せ、アトピー性皮膚炎発症へと引っ張っていく。