腸内環境の乱れに原因

腸内の空間は、腸内細菌の全体の数もだいたい決まっている。したがって、善玉菌の勢力が拡大されると、その分、悪玉菌の勢力が殺がれることになる。こうなると栄養の分解・吸収能力が高まり、私たちの健康状態は良好に保たれるようになる。逆に、悪玉菌の勢力が強くなって善玉菌が減少すると、栄養の分解・吸収能力が低下するばかりか、毒素(有害物質)が腸内にあふれ、免疫力も低下するようになる。
善玉菌が”善玉“とされる理由は、乳酸菌やビフィズス菌が糖を分解し、乳酸や酪酸といった乳酸発酵をするところにある。

たとえば、便秘では肌荒れや吹き出物が出るが、これは腸内で有害物質(毒素)が作られ、毒素が血液と一緒に体内を巡ることに原因がある。下痢もまた、腸粘膜の病変、腸管の吸収の悪化、腸内で作られた毒素による腸粘膜からの水分分泌の過剰といった腸内環境の乱れ、異常が考えられる。便秘、下痢、宿便などはいずれも腸内環境の乱れに原因があり、その乱れの最大原因こそ、ご存じの善玉菌と悪玉菌のバランスの崩れにある。

ここで、腸の分解・吸収の話を簡単にしよう。
腸が大腸と小腸から成り立っていることはご存じだろう。そして、栄養などの分解・吸収は小腸で行われている。小腸は日本人の平均で約6mだが、管の内壁には繊毛と呼ばれる長さ約1m、太さ0.1~0.3mの小さな突起がびっしりと生えている。この繊毛は3000万本と言われるが、その表面には栄養吸収細胞が並んでいる。そして、栄養吸収細胞の表面には長さ1000分の1m、太さ1万分の1mの微繊毛が産毛のように生えている。