ハウスダストの恐怖

わが国で〃アトピー性皮膚炎″という病名が紹介されたのが1960年代の半ばだったので、だいたい70年経過したいうことになります。
しかしアトピーになる原因の1つにハウスダストがあるということが分かったのは、1980年代になってからのことだったのです。


1960年代といえば、ようやく戦後の混乱も落ち着き、住宅事情もよくなってきた頃です。
立て付けの悪いドアや窓なども、サッシという便利で密封性に富んだ建築材がどんどん用いられるようにもなってきました。
 

密封性が良いということは、室内の換気が悪いということの裏返しです。そして室温は冬でも快適な温度に保つことができます。そうすると何がどうなるか、もうお分かりですね。

1969年に、アトピー患者が過敏に反応する室内のゴミのほとんどは、ダニによるものであるという発表が行われました。ハウスダストの内容は、カビ、ダニ、花粉などという幾種類ものアレルゲンとなるものが存在しています。しかしこれらの中で最も強くアレルギー症状を引き起こすものは実はダニであることが分かったのです。


そして1985年には、アメリカの医学者・ロール博士は、健康な人はダニのフンにはまったく反応しないのに、アトピー患者のリンパ球とダーーのフンを一緒に培養すると、強い反応が現れること、アトピーぜんそくが合併して持っている患者のそれは、さらに強く反応するということを発表しています。
 

アトピーとダニとは密接な関わりを持つことはが医学上でもはっきりと証明されています。