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なぜ治りにくいアトピー性皮膚炎は増え続けるのか

◎生活環境の大変化とともに増え続けた子供のアトピー
免疫だの、抗原抗体反応だの、免疫グロブリンだのと最初から少し難しい話になってしまったが、ここまでの話で重要なポイントは次の二つだ。


アトピー性皮膚炎は、垣E抗体が大量に作られることが原因
②大量の垣E抗体は、免疫のズレによって作られる


そして今、子供にも大人にもアトピー性皮膚炎が急増している。その実態を考えると、年齢を問わず、免疫のズレが蔓延していると言わざるをえない。


今でこそアトピー性皮膚炎は現代病を代表する病気の一つになっているものの、側年ほど前まではそれほど騒がれてはいなかった。アトピーが急増したのは1960年代半ばからで、日本が工業立国の階段を駆け上がって高度成長期へ突入していった時期に当たる。
私たちの生活は豊かになったが、その陰で、健康へのマイナス要因がどんどん膨らんでいることには気がつかなかった。

 

たとえば、仕事に追いまくられることによるストレス、人間関係の乳喋、生活時間の不規則化、食生活の欧米化による栄養バランスの崩れ、食品添加物の増加、排煙や排気ガスによる大気汚染、環境汚染による有害物質など、健康へのマイナス要因は挙げればそれこそ切りがない。

 

子供たちは、精神的にも肉体的にも弱者だ。大人と同じような生活環境に置かれれば、子供たちにまず影響が出るのは当然である。子供たちは幼稚園や小学校の受験競争が当たり前になり、大きなストレスにいつもさらされるようになった。同時に、いろいろな有害物質、汚染物質を体内にも取り込んだ。そうした状況から子供たちは免疫のズレを起こすようになり、大量の垣E抗体を作っていった。それが、子供にアトピー性皮膚炎を多発させる原因になったに違いない。

 

ただし、当時、アトピー性皮膚炎になる子供は現代ほど多くはなかったし、「成長すればアトピーは治る」と言われていたように、年齢とともにアトピー性皮膚炎は消えていた。

 

それに比べ、現代はアトピー性皮膚炎になる子供の数が圧倒的に増えているうえ、なかなか治らない子供たちが増えている。その大きな理由として、自然治癒力の低下が考えられる。自然治癒力は、身体に異常が生じたとき、いろいろな機能を総動員して正常な状態に回復しようとする働きである。私たち人間の自然治癒力は、免疫系、神経系、ホルモン系の三つの系統のバランスが取れていて正常に働くようになっている。

 

昔であれば、成長に連れて、子供たちの免疫のズレは自然治癒力のバランスによって修正され、アトピー性皮膚炎も消えていった。しかし、生活環境の激変が、現代の子供たちの自然治癒力全体を弱らせてしまった。それがアトピー脱出の難しい子供を急増させてしまったのではないか、と考えられる。これは非常に大きな問題で、アトピーの子供を持つご両親は、とくに留意していただきたいポイントである。